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韓国のとある巨大マンション。
ここでは最近、犬の失踪事件が相次いで起こっている。 そのマンションに住む大学の非常勤講師のユンジュ。 同期たちが順調に出世していくなか、 世渡り下手な彼は、なかなか教授のポストにつけない。 当然たいした稼ぎはなく、 生活費は二つ年上の奥さんが稼いでくる。 まったく頭の上がらない奥さんのお腹には、 もうじき生まれてくる赤ん坊がいる。 自分が不甲斐無いせいとはいえ、 毎日、奥さんに冷遇され見下されて、 居心地の悪い日々を送っているユンジュ。 そんな彼のささくれだった神経を、 キャンキャンとうるさい犬の鳴き声が逆撫でする。 その鳴き声はいったいどこから聞こえてくるのか? 見回してみても、巨大なマンション内でこだまして反響し、 発信元の見当がつかない。 しかし、マンション内を歩いていると、 偶然、一匹の子犬を見つける。 その子犬をすばやく捕まえると、 マンションの地下室に閉じ込めてしまう。 そのマンションの管理事務所で働く、 女子事務員のヒョンナム(ぺ・ドゥナ)は、 刺激の無い退屈な日々をクロスワードパズルで埋めながら、 無気力に過ごしている。 ![]() ある日、事務所に小さな女の子が訪ねてきた。 手には『迷い犬を探しています』という張り紙の束。 その大量な張り紙一枚一枚に承認のハンコを押しながら、 女の子の話を聞いてやるうち、すっかり女の子に同情し、 ヒョンナムは女の子の代わりに張り紙を貼って、 犬を探してあげる約束をする。 これをきっかけにして、ヒーローになることを夢見るヒョンナムは、 無気力から一転、鼻息も荒くやる気満々。 犬を閉じ込め、ようやく静かな生活を手に入れてホッとするユンジュ。 しかし、また、どこからかあのうるさい犬の鳴き声が聞こえてくる。 慌てて辺りを見回すと、 キャンキャンと鳴きわめく犬を、 大事そうに抱えたおばあさんが見える。 それは、さっき自分が捕まえた犬とはあきらかに違う犬。 ふと見ると廊下には、『迷い犬を探しています』の張り紙。 犬の特徴 “声帯手術をしているため、ほえない” そこに映っているのは自分が地下室に閉じ込めた犬。 とんだ犬違いに気付き、大急ぎで地下室へ走る。 しかし、なぜか子犬が居ない。焦るユンジュ。 そこへ、人の足音が近づいてくる、慌てて近くにあったタンスの中に隠れる。 そして、そのタンスのすき間からユンジュが見たものは・・・。 ![]() 僕は、犬を飼っています。 今の犬は二匹目で、 以前、飼っていた犬はシェルティで、 現在、飼っている犬もシェルティです。 シェルティの正式名は、シェットランド・シープドッグといい、 見た目は、大きくならない名犬ラッシーです。 以前、飼っていた犬は数年前に亡くなってしまいましたが、 その時は、本当に悲しくて、家族を失った時と同じくらい辛かった。 映画のなかで、迷い犬のチラシを持って事務所を訪れる小学生の女の子が、 「犬が見つからなかったら、心配でご飯も食べられなくて、 私は死んでしまう」と、脅しのような台詞を吐きますが、 その気持ちがようく分かります。 そんな犬好きにとって、 『良いのか。これ・・』と思ってしまう、 ショックなシーンがいくつか出てきます。 心臓の弱い犬好きの方は、ご注意下さい。 心臓の強い犬好きの僕でも見ていて思わず「うぉっ」と声を出してしまったシーンもあるくらいです。 犬好きじゃない方にはどうだかわかりません。 以前から、中国では犬を食べる文化があるのは知ってましたが、 韓国でもそういう文化があるのでしょうか? この映画ではそのように描かれていて驚きました。 しかし、この映画の不思議なところは、 残酷なシーンでひいていながらも、 なぜかそこで笑わせられてしまうところ。 でも、笑ったあとに若干の自己嫌悪がついてきます。 犬好きならばなおさらです。 言い忘れていましたが、これはコメディ映画です。 ![]() しかし、ホラー映画のようにも見えます。 ところどころで、やたらと恐怖をあおってくるのですが、 お隣りの国、韓国の作品だからでしょうか、 日本のホラー映画にも似た、じめじめと湿った恐怖であおってきて、 それが異様に不気味で怖い。 こんなに怖くする必要ないだろ、と思うくらい無駄に怖い。 でも、それもまたこの映画の魅力のひとつです。 出世レースに命を賭ける立派な大人たち。 男女格差と夫婦の絆と愛情。 無気力に時間を潰して生きるように見える若者たち。 それでも時に熱く、力一杯の友情。 大げさに言えば生きる目的とは何か? を、描いているのかいないのか? 本当はコメディのふりしたホラー映画なのか? やっぱり、ただ犬を追いかけてるだけなのか? 何ともつかみ所が無い不思議な映画で、 しかも、ちょっと泣けたりもします。 ちなみに邦題の、 『ほえる犬は噛まない』は、 「口やかましい者ほど、実行が伴わない」 という意味のことわざだそうです。 しかし、これは英題の『Barking dogs never bite』を直訳したもので、 元々の韓国題は、なんと『フランダースの犬』です。 監督が日本のあのアニメからそのまんまとってつけたそうです。 劇中ユンジュが、この映画の逆説的な象徴として、 あの懐かしいアニメソングを熱唱します。 ということで、実のところ犬はこの物語にとってそんなに重要ではないです。 なので犬好きじゃない方も積極的に、 ぜひ、この妙な映画を味わってみて下さい。 噛めば噛むほど違う味がする。 そんな映画です。 ■
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by cinefoot
| 2007-03-03 02:42
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