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家を失った貧困者たちが、
天国を夢見てやってくる場所。 通称、神の街。 ブラジル、リオデジャネイロ。 カーニバルの観光イメージからはほど遠い、 もうひとつの現実。 60’年代 ブスカペ。 まだ、将来何になりたいかなんてわからない。 父親のやってる魚屋はサカナ臭くなるから嫌だし、 警官やギャングも嫌だ、だって弾丸が恐いから。 リトル・ダイス。 神の街のチンピラ“伝説の三人組”と行動を共にしながら、 虎視眈々と神の街のボスの座を狙っている。 70’年代 一時期行方をくらましていたリトル・ダイスは、 “リトル・ゼ ”と名前を変えて神の街に帰ってくる。 街で一番儲かる麻薬に目をつけると、 たった一日で元締め達を撃ち殺す。 しかし、幼なじみであり相棒のベネの頼みで、 ベネの友人のセヌーラとそのシマだけは見逃す。 そして、あっという間にスラムのほぼ全域を手に入れる。 その結果、抗争がなくなり街に平穏な日々が訪れる。 だが、街を完全に牛耳って神の街のボスになりたいリトル・ゼは、 セヌーラが目障りでしかたない。 ブスカペはジャーナリストを目指し、 16歳のとき一番安いカメラを買った。 しかし、今はまだビーチではしゃぐ友人たちの専属カメラマン。 それでも、プロになるためにジャーナリストの最も末端に位置する仕事、 新聞配達をはじめる。 平和になったはずの街では、まだ十歳にもならないような子供ばかりの 新たなグループが、ギャング気取りで強盗をくりかえす。 神の街の平穏は長くは続かず、小さな火種がやがて大きな炎となり、 街は戦場と化して行く・・・。 誰かの言葉にむかついた。 そいつを殴る事は簡単で、我慢するのは難しい。 楽な方へ流される?困難に立ち向かう? 選ぶ基準は自分のため?誰かのため? 人生は選択の連続。 けど、全問正解した人なんていない。 この映画の二人の主人公、リトル・ゼとブスカペ。 一人は街の頂点を目指し、 もう一人は街から出てゆく事を目指す。 時間軸をずらし現在と過去を行ったり来たりしながらも、 巧みな演出で混乱することなく見れる群像劇。 リトル・ゼは悪の才能を思う存分発揮して、 最も単純な方法で街の頂点へ駆け上がっていく。 しかし、まだ十代の子供。 殺戮ばかりしてるわけではなく、 親友のベネに言われて恋人を作ろうとしたりもする。 けれど、残念ながら女の子を口説く才能は全くなかった。 誰かを愛し、誰かに愛される、 そんな経験がなかったのかもしれません。 ブスカペも、新聞社のカメラマンを目指しつつ、 素敵なアンジェリカとイイとこまでいくけれど最後まではイケず。 結局、街で一番のイイ奴でイイ悪党のベネにもってかれる。 まぁ、実のところこういうことは大抵の場合、経験や才能の問題ではなく、 複雑に絡み合ったいくつもの要素が原因で、上手く行かない事の方が多いです。 確実に上手く行く方法があれば教えて頂きたいです。 しかし、そんなことにめげる事なく夢に向かって努力を続けるブスカペ。 それでも、嫌な事ばかり続けば投げやりにもなる。 誰にだって一度はそんな時があるもので、悪の道へ踏み込もうとする。 けれど、それもさっぱり上手く行かない。 やっぱり、地道に頑張ろうと思い直す。 こんなふうに世界中どこの街でもありそうな光景の中で、 子供たちが殺し合う。 それは、暗闇の中ではなく。 真っ昼間、抜けるような青空の下、降り注ぐ太陽を浴び、 洗濯物がはためく路地裏で繰り広げられる。 思わず頬がゆるんだすぐ後に、 笑顔も凍り付く瞬間に出くわす。 現実に僕たちはそんな瞬間と同居している。 普段、忘れがちだけど生きているということは、実は誰だって常に命がけ。 僕は人を殴ったことも、人に殴られたこともあります。 自分の信じた正しさを突き通すために孤立することも多々あります。 殴られるのは痛くて嫌だし、孤立したら不安にもなります。 それでも本当に恐いことは痛みや不安に負けて、 自分を見失うことだと思います。 人生は選択の連続。 きっと、誰もがリトル・ゼのようになる可能性も、 ブスカペのように生きる可能性も持っている。 けど、全問正解した人なんていない。 時間は取り戻せないけれど、 間違えたと思ったら、やり直すだけ。 それでも、ブスカペのように 『やらなくちゃいけないことがある』と、危険に飛び込む。 ここぞという瞬間は是が非でも正解したいところです。 いくつもある残酷なシーンから目をそらさず、 リズミカルでカッコ良すぎる映像を存分に楽しみつつも惑わされず。 実話を元にした、この作品のメッセージは何なのかを感じて欲しいです。
by cinefoot
| 2006-03-07 04:33
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